パートナーのリンさんは私とまるで違い、国籍・年齢・性別を問わずに友達が多い方である。また、NYに住んで長いこともあり学生時代からの友達など長い縁のとても良い友達が多いみたいだ。現に、私の漫画に出てくる友達もリンさんから紹介してもらった人が多い。

私は昔から対人関係を築くのが大層苦手で、学生時代の団体行動でもいい思いをしたことがほとんどない。それどころか望まない衝突が増えたりと、全くもって団体行動には向かない人間であるという自覚を持って生きてきた。一人旅や一人で取る食事への抵抗感も一切ない。横柄に振る舞っても嫌な顔をする相手がいないというのは寂しいけれど気楽なものだ。

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しかし来るべき時が来てしまった。ある日「友人カップルと一緒にアップステートに旅行に行こう」とリンさんが言い出したのだ。


よくある話だ。2組のカップルで寄り合って1つの大きな家を借りて、自炊したりゲームしたりして楽しく過ごす二日間。しかしこれがどれぐらいハードルが高い行為かというのはどれほど説明しても、日々友人たちと連れ合って泊まりのキャンプやらフェスに行きまくっているリンさんには到底理解してもらえない。自分自身の経験から統計を取ると、旅行時の喧嘩は必然的に起こってしまう。普段と違う境遇で余裕がないからこそ各々の本来の姿が露呈してしまうことが原因だと思う。それも一泊ではなく二泊ときた。2日間で揉めたり面白くないことが起こって誰かが拗ねたりする可能性が高いし、考えただけでお腹が痛くなる。ああ、逃げたい。と思いながらも、もう私一人断りようがない局面なのは明らかだったので不安を感じつつOKした。


NYCにいる大人たちの間でよく耳にするフレーズの一つに「Upstate and Chill」という言葉がある。直訳は、アップステートでのんびりしよう!ということで、アップステートって何?っていうところから説明させてもらうと、NYCの上の方にある、NY州のシティ以外の場所のこと。実際ニューヨークはとても大きい州でNYCなんてほんの一部に過ぎないのだが、観光客の大半はシティに遊びに行くためこのアップステートの魅力を体感することは案外ないのではないか、と思う。

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こういうグッズもたくさん売ってます。

NYCから1−2時間車を運転したあたりから周りの景色はガラッと変わり始め、次第に木々だらけに。シティではなかなか見ることのない大きな一軒家が主流になっていく。こういう大きな一軒家をゴージャスに改築したAirbnbなんかを予約しては週末そこに泊まって大自然や暖炉の炎、オーガニックな食品といった非日常を味わうのがUpstate and Chillの定義・・・と私は思っています。
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飛行機移動も抵抗が大きい昨今、NYC在住の大人たちの暇つぶしといえばUpstate and Chillといっても過言ではありません。車で数時間で体験できる旅気分&非日常ということでとても手軽なアクティビティなのです。

今回もまた、友人カップルのTC&ヴァレリーと私とパートナーの4人で大きな一軒家を借りて、シティから2時間のCatskillsで遊ぶことになった。ドキドキ。今回は序章ということで、気ままに本編は書いていこうと思います。2泊だったけど盛り沢山の内容すぎて、ちゃんと思うように書けるかなぁ。よかったら読んでもらえると嬉しいです。よろしく〜。

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