クソみたいな田舎町で生まれ育ちました。

福岡と言っても多種多様で、 博多から30分も離れてしまえば、そこには田んぼ以外本当に何もない田舎が広がっております。
今でこそ文化的で素敵な街みたいな取り上げられ方もして東京から移住する人が増えてるなんていう話ですが、私が多感な時期を過ごした90年代〜00年代の福岡には、まだまだプリミティブな雰囲気が漂っていたように思います。東名阪には遠く及ばない野暮な地方都市というか、箸にも棒にもかからないような地域性だったと記憶しております。 そして、そもそも大半を過ごしたのが博多区や中央区ではなくクソ田舎町なのだから、私怨とノスタルジアで情報に相当なディストーションがかかっています。信憑性はないものと考えてください。そして、福岡Disの意図はないことをご了承ください。

約20年間生まれ育ったところが当時はなんの文化も生まれない、枯れ草もさらに根から枯れ果て死滅するような不毛の大地だったので、福岡のことが嫌になってしまい、東京に出ました。結果、東京でも上手くやっていけずアメリカに逃げ出したと言っても過言ではないのですが。

こういう背景がありますので、アメリカの田舎を題材にした作品にはどうしても共鳴してしまうのです。今まで、アメリカで長い間居住した区域はサンディエゴとニューヨークというどちらも都市としては規模が大きい便利なところだったので、現実にアメリカの田舎での生活を体験したことはまだないのですが、この国の大半を占めるのが実はほぼ何もない部分、要はクソ田舎ということには驚かされます。これを初めて実感したのはアリゾナにあるサルベーションマウンテンにアメリカ人の運転手さんを雇って行った時だったのですが、そこに至るまでに休憩のために寄った田舎町に漂う陰惨とした空気は今までに体験したことがない壮絶なものでした。福岡の外れの方にある商店街に行って、ほとんどのお店のシャッターが降りて不気味なほどに音もしなければ人の気配もなかった風景。あれに、さらに銃社会の不穏さを足したような空気が街全体に流れていました。

今回観た映画は、そんな感じの街を舞台にした一本です。

"Minding the gap" (邦題:行き止まりの世界に生まれて)2018年の映画です。
「アメリカで最も惨めな街」と言われるイリノイ州ロックフォードで暮らす若者たちの生活と、彼らがどうしようもない現実から目を背けるようにスケボーに没頭する様子を追ったドキュメンタリーとなっております。
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原題・邦題で全く印象が異なるポスターも面白い。


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この映画がスペシャルなのは、実際にスケボー仲間の一人だったアジア人の男の子、ビンが監督として友達たちに密着して映像を撮り続けているところです。親友だからこそ見えてくるリアルな表情や瞬間を映画にして観客に見せてくれます。また、彼自身の複雑な人生も正直に曝け出すことで、とても説得力のある内容に仕上がっています。

思ったよりも前置きが長くなったので、明日に続く!
では、バイトに行きます。
Wish me luck!

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